1TUCK Corduroy Painter Pants入荷しました。
コール天の杢目の太い細いは、ウェルという単位で表現します。数字が低くなる程杢目が太くなります。定番のLevis519等のコール天パンツの杢目は11〜12ウェルの太さとなります。今回使用したコール天は7ウェルで杢目が11〜12ウェルの3倍程の太さで、いわゆる太杢と呼ばれる範囲に入る杢目となります。高密度で織り上げている為、通常の7ウェルコール天生地よりも張りと固さ、密度により厚みを感じられると思います。
写真では分かりづらいですがフロントにタックを入れています。タックを入れる事により腰回りにゆとりを持たせ、股下から裾にかけて徐々に細くなるようシルエット形成をしています。腰回りのゆとり、裾しぼまりなシルエットは動き易さの為です。スポーツウェアのパンツのシルエットは、このようなシルエットが多いと思います。ごつい素材を使用していますが動き易さの為のシルエット形成をデザインの主軸としています。
バックスタイルはペインターパンツのディテールを採用しています。定番のデニム×ペインターディテールの組み合わせではなく、自分が好きな手法の一つ素材に対して別のディテールを組み合わせるという考え方からこの組み合わせとなりました。過去のアメリカンカジュアルのアーカイブでコーデュロイ×ペインターディテールは存在していると思いますが、何かを見て参考にして製作したという訳ではありません。また今現在ファッションブランドにはこの仕様のパンツは無いと思います。
ポケットサイズは定番のポケットサイズよりも少し大きく製作しています。本物のペインターとして着用してくれているお客さんもいますが、そういった仕事の要素というよりはスマートフォンやタバコが入るというような日常の使い易さに当てはまるようにと考えてサイズを決定しました。僕個人の使い方はループディテールに鍵用のカラビナを引っ掛けて、ポケットにはスマートフォン、たばこ、スケートボードで使うワックスを収納しています。スマートフォンに関してはこのパンツをデザインした2012年ではポケットに収まりますが、どんどんスマートフォンが大きくなってきているので将来的には入らなくなるかもしれません。。このパンツは再生産予定なので次回生産時にはそういった点を修正出来ればと思います。
フロント開きは金属ファスナー開き+タック釦止めです。タック釦はYKKのARGENTというデザインの釦でいつも使用しているモノのシルバー色となります。
股下内側は3本巻き縫いと呼ばれる生地を組み合わせ、3本のステッチを打ち込む強固な縫製方法で製作しています。脇外側はポケットディテールも一緒に巻き込まなければいけないので、厚みがあり過ぎて針が折れてしまい工場さんから変更して欲しいとの事でしたので、ロックミシンを掛けた後、倒して3本ステッチを打ち込む縫製方法に変更して製作しました。工場さんにお金を払っているからといって無理矢理に意思を通す事は、本当の意味ではクオリティに欠けると僕は考えています。デザイン側と職人側の考えが合致した落とし所で作業する事が本当のクオリティだと思いますし、一部の人だけ大変な思いをする事がなくなると僕は思います。
右フロントポケット内に小ポケットを配置しています。小物が入る程度の大きさですがあると便利かと思います。この小ポケットも含めて計8つのポケットで構成しています。
ポケット袋布には綿100%のストライプ生地を採用しています。ベルト裏も同生地にしているのはデザインではなく、裏もコーデュロイにすると分厚過ぎるので厚さの軽減として袋布生地を使用しています。
ベルト内側にスピンドルを通してあるので、ベルト無しでの着用も可能です。スピンドル自体はアウトドアで使用する強度の高いモノを使用しています。このスピンドルの太いモノは命綱等にも使用するそうです。僕は専門家ではないのでこれ以上の説明は省きます。
太杢のコーデュロイ生地は見た目にインパクトがあるので、化学繊維の生地を合わせて着るのが僕は好みです。178cm,68kgでLサイズを着用しています。
よろしくお願いします。